納得しないと動けない人へ|結果を出す人は「納得」より「行動」を優先している
こんにちは。コミュニケーションデザイナーの東ヤスオです。
今回は結果を出している人の習慣の一つ「納得してから行動するのではなく、行動するから納得する」ことについて。これまで10年以上コーチング・セッションを提供してきて、多くの人がこの順番を間違っていました。もしあなたに当てはまっていたら要注意!
自分の想定範囲内のことでは結果が出ない
納得するから行動するのか、行動するから納得するのか。まるで卵が先か鶏が先かのように、どちらも正解のように聞こえますか? いいえ、実現したい未来を実現させるために結果を出し続けている人は、圧倒的に「行動するから納得する」思考を持っています。ではなぜ、納得してからでは駄目なのでしょうか。
理屈は簡単です。納得できるということは、すでに自分が知っていて理解できることであり、つまりは「自分の想定範囲内」のことだからです。今の延長線上に実現したい未来があるなら、それでいいかもしれませんが、成長曲線を描きたいのなら今の自分が納得できないこと(=今の自分では理解が及ばないこと)に挑戦していく必要があります。
なぜ「納得しないと動けない」のか
納得しないと動けないのは、頑固だからでも、やる気がないからでもありません。多くの場合、その背景には次のような気持ちがあります。
- 失敗したくないので、先に確かな理由がほしい
- 「分からないまま動くのは危ない」と、これまでの経験から学んできた
- 自分の判断で、きちんと納得して選びたいという誠実さがある
慎重で真面目な人ほどこの傾向が強く、その慎重さは本来、大きな強みです。ただし、使いどころを間違えると、チャンスを見送ってしまう原因にもなります。大切なのは、今は「考える段階」なのか、それとも「動いて確かめる段階」なのかを見分けることです。
コーチングのクライアントに実際にあった変化
以前セッションを担当していたクライアントの方は、新しい営業手法を上司から勧められても、「自分にはまだ早い」「もっと基礎を固めてからでないと納得できない」と、なかなか手を出さない状態が続いていました。話を伺うと、頭の中では「試してみる価値はあるかもしれない」と分かっていても、心から納得できるまで動けないという思考の癖があったのです。
セッションの中で「納得してから動くのではなく、まず動いてみて、そこから納得を作っていく」という順番を提案したところ、最初は戸惑いながらも小さな範囲で試してみることに同意してくれました。実際にやってみると、想定していたよりも反応が良く、「なぜこれが効くのか」という理解は、行動したあとに初めて腹落ちしたそうです。「先に納得してから」を待っていたら、この経験は一生訪れなかったかもしれません。
さらに面白いのは、その後の変化です。一度「行動してから納得する」という感覚を体験すると、次の新しい提案に対しても「まずやってみよう」と思えるようになったといいます。最初の一歩さえ乗り越えられれば、同じ思考の癖に何度も足を止められることは少なくなっていくようでした。本人も「やってみる前は半信半疑だったけど、結果が出たことで、理屈は後からちゃんと分かってきた」と話していました。
自己診断:納得を待ってしまっているサイン
- 新しいやり方を勧められたとき、まず「なぜそれが良いのか」を完全に理解しようとする
- 納得できない提案は、試す前から断ってしまうことが多い
- 「やってみて分かる」より「分かってからやる」方が安心だと感じる
- 周りから見て明らかにチャンスに見える提案でも、納得できないという理由だけで動かなかったことがある
- 過去を振り返ると、納得できずに見送った挑戦が何度もある
行動の必要性なんて理解できなくてもいい
ビジネスの現場ではよくこんなやり取りがあります。
上司「これをやってみよう」
部下「いやです。私は納得できません」
特に若い部下の方からすると、上司の言い分に納得できず積極的に行動しないという状況。それもそのはず。若い部下の方は絶対的に経験値が足りないので、上司のアドバイスにまだ理解が及ばないのです。だから上司に反発しているのではなく、単純になぜそんなことをする必要性があるのかがわからないのです。そんな時は「納得できること=今の自分の理解の及ぶことにすぎない」と伝えてあげるといいでしょう。
典型的な納得しないと行動できないタイプのこの部下。実は若かりし頃の僕自身のことです。変なプライドをかざして先輩や上司からのアドバイスを素直に実践せずに、自分の納得できることだけをやっていました。当たり前ですが結果が出ることはありませんでした……。もしもタイムマシンが使えるのなら、その時に戻って当時の自分をビンタしてやりたい。
「行動できない」こととの違い
この話は、「行動したくてもできない」という悩みとは少し違います。行動できない場合は、Why・What・Howのどこかが理解できていないことが原因になっているケースが多く、そちらはまず理解を整理してあげる必要があります。一方で今回お伝えしているのは、「やり方は分かっているのに、納得できるまで動こうとしない」という、順番の思い込みの話です。両者を混同しないよう、まずは自分やメンバーがどちらの状態にあるのかを見極めることをおすすめします。「やり方が分からず動けない」のに「納得できないだけだ」と決めつけてしまうと、いつまでも行動につながりません。逆に「納得できないだけ」なのに「理解が足りないから丁寧に説明しよう」と説明を重ねてしまうと、余計に頭でっかちになって動けなくなることもあります。
納得できなくても動き出す3つの方法
1.失敗しても取り返せる範囲で、小さく試す
すべてに納得してから大きく動くのではなく、1週間だけ、1件だけといった小さな範囲から始めます。小さく試すだけでも、頭の中だけでは得られなかった実感が手に入ります。
2.「仮決め」にして、期限を切る
「これで確定」と考えるから動けなくなります。「まず2週間やってみて、見直す」と仮に決めて、やめる自由を残しておくと、最初の一歩が軽くなります。
3.自分の納得ではなく、相手の実績を判断材料にする
「自分が納得できるか」ではなく、「この人は実際に結果を出している」という事実を基準にします。自分の理解が追いつくのを待つより、結果を出している人のやり方をまず試す方が、近道になることがあります。
得たい結果のために素直な心を忘れない
上司や部下の関係性だけではありません。自分が得たいと思っている結果を出している人からのアドバイスは、納得できずとも素直に行動することが結果への最短距離。また行動した結果について、アドバイスをくれた人に共有しフィードバックをもらうことが重要です。人ひとりの納得や理解の範囲なんてたかが知れてます。周りの方の知識や経験を頼りながら、得たい結果を得られるようにいつでも素直な心を忘れずにいたいものですね。納得は行動の後から追いかけてくるものだと思って、まずは一歩踏み出してみましょう。
今、あなたの手元に「納得できないから」という理由だけで見送っている提案はありませんか? その一つを、小さな範囲からでも試してみることから始めてみてください。
よくある質問
Q. 納得しないと動けない性格は、直した方がいいですか?
直す必要はありません。慎重さは大切な強みです。ただ、「考える段階」と「動いて確かめる段階」を使い分けられるようになると、チャンスを逃しにくくなります。
Q. 納得できないまま行動するのは、危険な提案でも受け入れるということですか?
いいえ。ここでお伝えしているのは、経験や実績のある相手からの提案について、「理解しきれない」という理由だけで拒否しないということです。明らかにリスクの大きい提案であれば、当然慎重な判断が必要です。
Q. 部下が納得できずに動けないとき、どう伝えればいいですか?
「納得できないのは、経験が足りないからであって、能力が低いからではない」という前提を伝えることをおすすめします。そのうえで、まず小さく試してみることを提案すると、納得できないまま大きな挑戦を求めるよりもハードルが下がります。
Q. 行動したあとも、まったく納得できなかった場合はどうすればいいですか?
それも一つの結果です。試したうえで「やはり自分には合わなかった」と分かること自体が、次の判断材料になります。動かずに悩み続けるより、確実に前進していると捉えてください。
Q. どんな提案でも、とにかく行動すればいいということですか?
すべての提案を無条件に受け入れるという意味ではありません。目安としては、実際に結果を出している人・信頼できる経験者からの提案であれば、納得できなくても一度試してみる価値がある、という考え方です。
実はこの「行動してから納得する」という順番は、知識より体験に効果がある理由でもお伝えした内容と重なります。頭で理解してから動くのではなく、まず動いてみることが、結局は一番納得のいく理解につながるのです。もし「わかっているのに動けない」というブレーキを一緒に外していきたい方は、個人コーチングもご検討ください。
ではまた!