決めてもやらない人が行動するには?「行動できない人の3つのパターン」
こんにちは。コミュニケーションデザイナーの東ヤスオです。
組織やチームでの決定事項をなぜメンバーはすぐに行動に移せないのか?何が原因で行き詰まっているのか?ということについて。行動できない人の3つのパターンについてお伝えします。
行動できない人の3つのパターンとは?
行動できない人は以下のいずれかのパターンで行き詰まっています。
① 行動する理由(Why)がわかっていない
まず一つ目は、行動をする以前にそもそも「なぜそれをやるのか」という理由が理解できていないパターンです。行動することはその先にある目的や目標を達成するための手段に過ぎませんが、なんとなく言われたから……という理由だけでは行動することができません。行動した先のことや必要性を納得してもらうことが重要です。
② 何(What)をすればいいのかわかっていない
そして二つ目は、何をすればいいのか理解できていないパターンです。ざっくりとした方向性は理解できていても、特に具体的な一歩目が分かっていない状況です。さらに最初の一歩目が大きすぎるとかえって行動できない可能性があるので要注意。人は臨場感(やれるイメージ)が持てなければなかなか動けません。
③ どうすれば(How)いいのかわかっていない
そして最後の三つ目は、どうすればいいのか理解できていないパターンです。やる理由は明確になった、具体的に何をすればいいのかも理解でした。じゃ、どんなふうにやればいいのか、うーむ……という状況です。例えばセールスをする時、「1日に50件テレアポをしよう」と具体的なことが理解できていても、じゃ誰から電話すればいいの? となり行動が止まってしまうことがあります。
「Why」が抜けていたために止まっていたメンバーの話
以前、あるチームで「毎週の議事録を必ず当日中に共有する」という新しいルールが決まりました。しかし、あるメンバーだけが何週間経ってもルールを守れず、翌日以降に共有することが続いていました。上司は「やる気がないのでは」と感じ始めていましたが、実際に1on1で話を聞いてみると、事情は違いました。
そのメンバーは「What(何をするか)」も「How(どうやるか)」も理解していました。ただ、「なぜ当日中でなければいけないのか」という理由だけが伝わっていなかったのです。「別に翌日でも内容は変わらないのに、なぜそこまで急ぐ必要があるのか分からなかった」と本人は話していました。上司が「参加できなかったメンバーが、翌朝の会議までに議事録を読んで準備できるようにするためだ」と理由を伝え直したところ、その日から当日中の共有が徹底されるようになりました。
この上司は当初、ルールを伝えた時点で「What」と「How」まで詳しく説明していたつもりでした。しかし「なぜ当日中なのか」という根本の理由は、自分の中で当たり前すぎて、あえて言葉にしていなかったのです。伝える側にとって当たり前の理由ほど、実は言葉にされずに抜け落ちやすいという典型的な例でした。
自己診断:どのパターンで止まっているか
- 「なぜやるのか」を聞かれたときに、本人が納得した答えを言えない → Whyが理解できていない
- 「やる」とは言っているが、いつまでに何をするかが本人の中で具体的になっていない → Whatが理解できていない
- やることは分かっているが、最初の一歩を何から始めればいいか分からず止まっている → Howが理解できていない
- これらを一つずつ確認せず、「やる気がない」で済ませてしまっている
行動できないパターンを細分化すること
今回は行動できない人の3つのパターンについてお伝えしました。
①「Why(なぜ)」なぜそれをやるのか?
②「What(なに)」具体的に何をするのか?
③「How(どのように)」どうやってやるのか?
これらの3つのどれかが理解できていないから行動できないのです。2つ以上複合している時もありますので、まずは「Why(なぜ)」を明確にすることから始めてみましょう。コーチング的な関わり方で「なぜ、○○したいと思う?」や「なぜ○○する必要があるの?」と質問してあげることで行動する理由が徐々に明確になってきます。頭ごなしに理由を説明するのではなく、本人に問いかけながら一緒に見つけていく方が、納得感も強くなります。
「やる気がない」で終わらせないために
この3つのパターンを知る前は、行動できない部下やメンバーを見ると、つい「やる気の問題」だと判断してしまいがちです。しかし実際には、Why・What・Howのどこかが欠けているだけで、本人にやる気がないわけではないケースが少なくありません。「やる気がない」という決めつけは、本人との対話の機会を奪ってしまい、本当の原因を見つけるチャンスを失わせてしまいます。さらに厄介なのは、「やる気がない人」というレッテルが一度貼られると、本人もそのレッテルに合わせて振る舞うようになってしまうことです。本当はHowが分からないだけだったのに、「どうせやる気がないと思われているから」と、余計に行動が遠のいてしまう悪循環が生まれることもあります。
あなた自身やあなたの部下がなかなか行動できていない時、その理由を細分化してみることで行動が加速化していきます。1on1ミーティングの時にでも対話のテーマにしてみてください。
また、「決めたのに行動が続かない」という状態は、結果を出す人が優先している「行動する」という姿勢とも表裏一体の関係にあります。あわせてご覧いただくと理解が深まります。
よくある質問
Q. 3つのパターンのうち、複数が同時に当てはまることはありますか?
あります。特に「Why」が曖昧なまま「What」や「How」だけを説明されているケースは多く見られます。まずはWhyから順番に確認していくことをおすすめします。
Q. 本人に理由を聞いても、はっきりした答えが返ってこない場合はどうすればいいですか?
その場合は、本人がまだ「なぜやるのか」を自分の言葉で説明できるほど理解していない可能性があります。一方的に説明するのではなく、対話を通じて本人自身の言葉で納得できる理由を一緒に見つけていくプロセスが有効です。
Q. Howが分からず止まっている場合、どこまで具体的に示せばいいですか?
最初の一歩が明確にイメージできる程度まで具体化することをおすすめします。「明日の10時に、まず誰に連絡するか」くらいの粒度まで落とし込めると、行動に移しやすくなります。
Q. 自分自身が行動できないときも、同じように分解すればいいですか?
はい。他人だけでなく自分自身に対しても、「なぜこれをやりたいのか」「具体的に何をするのか」「どうやって進めるのか」を順番に自問してみると、止まっている理由が見えてくることがあります。
このWhy・What・Howという行動できない理由の分解は、1on1コーチングで使っている「行動デザインの6STEP」の考え方とも重なります。このフレームワークの詳細はこちらのnote記事でも解説しています。行動を止めている思い込みを一緒に特定したい方は、個人コーチングもご検討ください。
まずは身近なメンバーの「動けていない理由」を、Why・What・Howの3つに分けて眺めてみるところから始めてみてください。
ではまた!