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コーチング資格を取る前に、まず自分がコーチングを受けるべき理由

コーチング資格を取る前に、まず自分がコーチングを受けるべき理由

こんにちは。コミュニケーションデザイナーの東ヤスオです。

「コーチングの資格を取りたい」というご相談を受けることがあります。将来、誰かの力になりたいという思いは、とても尊いものです。資格取得を目指すこと自体はとても良いことですが、その前に一つだけお伝えしたいことがあります。それは、資格を取る前に、まず自分自身がコーチングを受けてみてほしいということです。

「傾聴=コーチング」という誤解

「部下の話をちゃんと聞くこと」がコーチングだと思われていることがよくあります。しかし、これは正確ではありません。丁寧に話を聞くこと自体は、どちらかというとカウンセリングに近い技術体系です。コーチングの核心は、もう一段深いところにあります。

コーチングが本当に扱っているのは、目の前の問題そのものではなく、クライアント自身も気づいていない「視座」や、思考の中に潜む矛盾です。良い質問を重ねるだけでは、そこにはたどり着けないことも多く、時にはコーチの側から「あなたが今言っていたことと、さっき言っていたことは矛盾していませんか?」と、踏み込んで言及する場面も必要になります。傾聴に徹して、ただ気づきの質問を投げかけるだけ、というイメージは、実はコーチングの半分しか捉えていないのです。

資格だけを取って、うまくいかなかった人の話

以前、あるコーチング資格の養成講座を修了した方から、こんな相談を受けたことがあります。「オープンクエスチョンも傾聴もきちんとできているはずなのに、クライアントさんの反応が薄い。何が足りないのか分からない」というものでした。

詳しく話を伺うと、その方はクライアントの話をずっと丁寧に聞いてはいるものの、クライアント自身が語っている内容の中にある小さな矛盾や、言葉の端々に滲む無意識の思い込みには、気づけていませんでした。「聞く」ことに集中するあまり、「見つける」ことがおろそかになっていたのです。

この「見つける力」は、本や講座でロジックとして学んでも、なかなか身につきません。実際に自分自身が、誰かに自分の中の矛盾や思い込みを見つけてもらう経験をして、初めて「ああ、これが見つけられるということか」と体感として理解できるものだからです。

自己診断:資格取得を急いでしまっているサイン

  • 「傾聴とオープンクエスチョンさえできれば、コーチングは成立する」と思っている
  • コーチングを教える側の知識は集めているが、自分自身が本格的なセッションを受けたことがない
  • 「早く資格を取って、コーチとして活動したい」という焦りが先に立っている
  • 自分自身の思考の矛盾や思い込みを、誰かに指摘されて驚いた経験がない

コーチングが本当に効くのは「答えのない場所」

正解がすでにある状況、例えば上司が明確な答えを持っている業務指示のような場面では、丁寧なコミュニケーションだけで十分に機能します。しかしコーチングが本当に価値を発揮するのは、誰も答えを持っていない挑戦に向き合うときです。役職が一段階変わる、新しい事業を任される、未経験の領域に踏み出す。そうした「未踏の地」では、既存の正解を当てはめることができません。自分の内側から、創造的な答えを引き出していくプロセスこそが、コーチングの核心です。

この「答えのない場所」に向き合う体験は、資格の勉強だけでは味わえません。自分自身が本当に答えの出ない問いを抱えてコーチングを受けたときに初めて、コーチングが持つ本当の力を実感できます。

なぜ「受ける経験」が欠かせないのか

自分自身がコーチングを受けることで、「答えを教えてもらう」のではなく「自分の中の矛盾や思い込みを見つけてもらい、そこから答えを引き出していく」というプロセスそのものへの信頼が生まれます。この信頼と実感がないまま、資格の型だけを覚えて相手に向き合うと、どうしても表面的な質問の繰り返しに終始してしまいがちです。

また、コーチから自分の矛盾や思い込みを指摘されたときの、あの少し痛いような、でもハッとするような感覚を知っていることも重要です。将来コーチとして活動したいと考えている方ほど、まず自分自身がクライアントとしてこの感覚を経験しておくことが、遠回りに見えて実は一番の近道になります。

資格取得を否定しているわけではありません

誤解のないようにお伝えすると、体系的な資格取得そのものは、決して不要なものではありません。国際的な認定資格を持つことは、対外的な信頼の証明にもなりますし、体系立てて学ぶこと自体に価値があります。大切なのは、「資格取得」と「コーチングを受ける経験」の、どちらを先にするかという順番です。

資格の勉強を始める前、あるいは並行してでも構いません。まずは一度、じっくりとコーチングを受けてみることをおすすめします。キャリアコーチングとは?失敗しない選び方の記事でお伝えした選び方の視点は、自分がコーチを目指す上でも、そのまま「良いコーチとはどんな在り方をしている人か」を見極める視点として役立ちます。

体験セッションで、まず「聞かれる側」になってみる

僕自身も、プロフェッショナル・コーチとして活動する前に、数えきれないほどコーチングを受ける側の経験を積みました。その経験があったからこそ、今クライアントの方に向き合うときの感覚が育ってきたと感じています。

もしあなたが将来コーチとして活動したいと考えているなら、まずは体験セッション(1時間・5,500円)で、「聞かれる側」の感覚を確かめてみてください。行動デザインの6STEPを用いたセッションの中で、自分自身がまだ気づいていない矛盾や思い込みが見つかる瞬間を、自分自身の身体で体感していただけます。体験セッション終了後、ご希望の方にのみ本セッションの詳細をご案内する形にしているので、まずは気軽な気持ちで試していただければと思います。

よくある質問

Q. 傾聴やオープンクエスチョンを学ぶこと自体は無駄ですか?
無駄ではありません。土台となる技術ではありますが、それだけでコーチングが完成するわけではない、ということをお伝えしたいです。

Q. 資格取得の勉強と並行して、体験セッションを受けても構いませんか?
もちろん問題ありません。むしろ、学んでいる知識と、実際に自分が受けている体感を照らし合わせることで、理解がより深まります。

Q. 別のスクールで資格取得を目指していますが、体験セッションだけ受けることはできますか?
はい。どちらのスクールで学ばれているかに関わらず、体験セッションのみのご利用も可能です。

Q. すでに他の人にコーチングを提供して活動しています。今からでも意味がありますか?
はい。すでに活動されている方こそ、あらためて「聞かれる側」に戻ってみることで、自分自身の中にある矛盾や思い込みに気づける貴重な機会になります。経験年数に関わらず、価値のある時間になります。

さいごに

コーチングの資格を取りたいという気持ちは、とても大切なものです。だからこそ、その一歩を踏み出す前に、まず自分自身が「聞かれる側」としてコーチングを受けてみてください。答えを渡されるのではなく、自分の中の矛盾や思い込みを見つけてもらう経験こそが、これから誰かに向き合う際の、一番確かな土台になります。

ご興味を持たれた方は、お問い合わせフォームから体験セッションをお申し込みください。

ではまた!