経営合宿にレゴ®シリアスプレイ®メソッドが効く理由|計画より先に必要な『腹落ち』
こんにちは。コミュニケーションデザイナーの東ヤスオです。
「経営合宿を検討しているが、数字やフレームワークを詰め込むだけの合宿にはしたくない」というご相談をいただくことがあります。この記事では、経営合宿とは何か、そしてレゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した対話型の経営合宿という選択肢について解説します。
経営合宿とは何か
経営合宿とは、経営者や幹部が日常業務を離れ、まとまった時間をかけて中長期の経営戦略や組織の方向性について議論する場のことです。年に一度、経営計画の策定や見直しのタイミングで実施する企業が多く、宿泊を伴う形式で1〜3日程度かけて行われることが一般的です。
経営合宿を専門に扱う会社の多くは、経営計画書の作成や数値目標の設定など、分析・計画に重点を置いたプログラムを提供しています。もちろんそれも重要な要素ですが、実際に経営合宿を経験された方から、少し違う角度の悩みを伺うことがあります。特に、複数年にわたって同じ形式の経営合宿を続けている企業様からは、「毎年似たような議論を繰り返している気がする」という声を伺うことがあります。フレームワークに沿って数値目標を立てること自体はできていても、経営陣一人ひとりの本音の危機感や願いが置き去りになったまま、表面的な議論だけが繰り返されているケースです。
「計画は作れたが、腹落ちしていない」という声
以前、ある企業の経営者様からこんな話を伺いました。別の会社が主催する経営合宿に参加し、立派な経営計画書は完成した。数値目標も明確になった。しかし、合宿から戻って半年後、幹部の一人が「あの計画、正直まだしっくりきていない」とこぼしたそうです。
計画そのものは論理的に正しくても、それぞれの幹部が「自分ごと」として腹落ちしていなければ、日々の意思決定には反映されません。特に、経営陣それぞれが本音でどんな未来を望んでいるのか、どんな価値観を大切にしているのかをすり合わせる時間が不足していると、この「腹落ちしていない計画」が生まれやすくなります。
興味深いのは、この経営者様自身も、合宿の場では活発に発言していたという点です。しかし後から振り返ると、その発言の多くは「正しそうな意見」であって、本当に自分が心から望んでいる未来ではなかったと気づいたそうです。数字の議論が中心の場では、つい「論理的に正しい発言」を優先してしまい、本音の価値観は後回しになりがちです。
自己診断:対話が不足している経営合宿のサイン
- 経営計画は毎年作っているが、翌年も同じような議論を繰り返している
- 幹部同士が、お互いの本音の価値観や危機感を、実はあまり共有できていない
- 計画発表後、現場に浸透せず「絵に描いた餅」になってしまうことが多い
- 合宿の議論が、いつも声の大きい人の意見に引っ張られがちである
レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した経営合宿という選択肢
レゴ®ブロックを使って、経営陣それぞれが「会社の未来像」や「大切にしたい価値観」を作品として表現し、それについて語り合うプロセスを合宿に組み込むことで、数字やフレームワークだけでは出てこない、経営陣一人ひとりの本音を引き出すことができます。
役職や発言力に関係なく、全員が同じように手を動かして作品を作るため、普段は遠慮しがちな意見や、言葉にしづらかった危機感も自然と共有されやすくなります。この考え方は、組織のパーパス・理念浸透にレゴ®シリアスプレイ®メソッドが効く理由の記事でも詳しく解説しています。特に経営陣という立場では、「弱みや迷いを見せてはいけない」という無言のプレッシャーが働きやすいものです。作品という共通の題材を挟むことで、直接的に「弱みを見せてください」と求めなくても、自然と本音が滲み出てくる点が、この手法の大きな特徴です。
経営合宿での活用例
経営合宿の中でレゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用する場合、以下のような流れが一例です。
① 個人の価値観の言語化:まず一人ひとりが「自分が経営者・幹部として大切にしていること」を作品にして語ります。
② 共有ビジョンの構築:個人の作品を土台に、経営陣全体で「目指す会社の未来像」を一つの形にしていきます。
③ 数値計画への接続:ここで初めて、共有されたビジョンをもとに、具体的な経営計画・数値目標を議論します。
数字の議論から入るのではなく、まず経営陣の本音のビジョンをすり合わせてから数字に落とし込むことで、計画そのものへの納得感が大きく変わります。順番を逆にしてしまうと、せっかく作った計画も「頭では理解しているが、心では納得していない」状態のまま進んでしまいがちです。全体の進め方や費用感については、レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修の詳細記事もあわせてご覧ください。
キックオフとの違い
似た形式に、全社員を対象にしたキックオフがありますが、経営合宿は経営者・幹部層に対象を絞り、より踏み込んだ本音の議論を行う点が異なります。経営陣の中で先にビジョンをすり合わせておくことで、その後のキックオフでのメッセージにも一貫性が生まれます。経営合宿で言語化されたビジョンが曖昧なまま全社キックオフに臨んでしまうと、伝える側の言葉にも迷いが出てしまい、結果として社員には熱量が伝わりにくくなってしまいます。
よくある質問
Q. 経営計画の策定支援も一緒に行ってもらえますか?
数値計画そのものの策定は専門の会計士・コンサルタントと連携いただくことをおすすめしていますが、その前提となる経営陣のビジョン・価値観のすり合わせの部分を担当いたします。
Q. 合宿全体のうち、どれくらいの時間を使うイメージですか?
合宿全体の一部(半日〜1日程度)に組み込んでいただくケースが多いです。合宿の冒頭に実施し、その後の数値計画の議論の土台として活用いただくことをおすすめしています。
Q. 少人数の経営陣でも実施できますか?
はい。3〜4名程度の少人数の経営陣でも実施可能です。人数が少ないからこそ、一人ひとりの本音がより深く共有される場になります。
Q. 合宿の会場探しからお願いできますか?
会場の手配は、貴社にてご準備いただく形をお願いしています。プログラムの設計と進行を担当いたします。
Q. すでに経営計画策定は別の専門家に依頼しています。それでも導入できますか?
はい。数値計画の策定を担当されている専門家の方がいらっしゃる場合でも、その前段階のビジョン・価値観のすり合わせの部分だけを切り出して担当することが可能です。既存の合宿プログラムの一部に組み込む形でご相談いただくことも多くあります。
Q. 経営陣の意見が対立しがちな場合でも実施できますか?
むしろそうした状況にこそ効果を発揮しやすいと感じています。対立の背景にある、それぞれが本当に大切にしている価値観を可視化することで、対立そのものの捉え方が変わることがあります。
さいごに
経営合宿は、経営計画を「作る」だけでなく、経営陣が本音で「腹落ちする」機会にできるかどうかで、その後の浸透度が大きく変わります。数字の議論に入る前に、まず経営陣同士の価値観をすり合わせる時間を作ってみませんか?その一手間が、計画発表後の浸透度を大きく左右します。経営合宿という限られた時間だからこそ、数字の前にまず人としての本音を交わす時間を大切にしていただければと思います。
ご興味を持たれた方は、お問い合わせフォームで「レゴ・シリアスプレイ」を選択の上ご連絡ください。
ではまた!