組織のパーパス・理念浸透にレゴ®シリアスプレイ®メソッドが効く理由
こんにちは。コミュニケーションデザイナーの東ヤスオです。
「会社のミッションやパーパスを社員に浸透させたいが、朝礼で読み上げるだけで終わっている」——こんなお悩みを、経営層や人事のご担当者様からよく伺います。実際、ある企業の理念浸透施策を伺ったことがあります。年に一度、社長が全社員の前で理念について熱く語る場を設けていましたが、数年後の社員アンケートでは「理念は知っているが、日々の判断にどう活かせばいいかわからない」という声が大半でした。理念という言葉自体は浸透していても、それが行動の指針として機能していなかったのです。
なぜ企業のパーパス・理念は「浸透しない」のか
理念やパーパスが浸透しない背景には、いくつかの共通した原因があります。
- 経営層が作った言葉を、社員に一方的に伝えるだけになっている(社員は「聞かされる側」のままで、理念づくりのプロセスに関与していません)
- 言葉としては知っていても、自分の日々の行動とは結びついていない(「挑戦を大切にする」と言われても、具体的に何をすればいいのかがわからないままです)
- 「挑戦」「誠実」といった抽象的な言葉は、人によって解釈が異なる(ある人にとっての「挑戦」は新規事業への参画で、別の人にとっては日々の業務改善かもしれません)
特に3つ目は見落とされがちです。以前「共通言語ではなく共通解釈」でもお伝えしましたが、同じ言葉を使っていても、その言葉が指すイメージは人それぞれ違います。理念の言葉を揃えるだけでは、本当の意味での浸透にはつながりません。
「伝える」から「共に作る」への転換
理念やパーパスを浸透させる上で効果的なのは、トップが一方的に伝えるのではなく、社員自身が「共に作る」プロセスに参加することです。
レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修では、各自が「自分がこの会社で実現したい未来」をレゴ®ブロックの作品として表現し、その核心部分をグループで統合していきます。会社の理念を、外から与えられた言葉としてではなく、自分自身の作品の中に見出すプロセスを経ることで、理念が「自分ごと」になります。
この転換がなぜ効果的なのか、知識より体験が効く理由の記事でも解説した通り、人は自分が手を動かして作り上げたものに対して、強い当事者意識を持つ傾向があります。会社から与えられた理念という「借り物の言葉」ではなく、自分自身がブロックで形にした未来像だからこそ、日々の判断の拠り所として機能しやすくなるのです。
実際のプログラム例
パーパス・理念浸透を目的とする場合、以下のような流れが一例です。
① 個人が「自分がこの会社で実現したい未来」を作品として表現する
② グループ内で作品を共有し、共通する価値観や思いを見つける
③ グループの核心部分を持ち寄り、チーム・組織としての未来像に統合する
④ 会社の理念・パーパスの言葉と、参加者自身が作った未来像を重ね合わせ、意味を確認する
①では、経営層が決めた会社全体の理念からではなく、あくまで参加者一人ひとりの「自分がこの会社で実現したい未来」を起点にすることが重要です。②のグループ共有では、一見バラバラに見える個人の思いの中に、実は共通する価値観が眠っていることに気づくプロセスが生まれます。③では、複数のグループの核心を統合し、参加者全員がボトムアップで作り上げた「組織としての未来像」を形にします。④では、こうして自分たちの手で作り上げた未来像と、既存の理念・パーパスの言葉を重ね合わせることで、「ああ、理念が言いたかったのはこういうことか」という腹落ちが生まれます。
このプロセスを通じて、理念の言葉が「誰かが決めた言葉」から「自分たちが確認した言葉」に変わります。
「言葉」だけでは理念が浸透しない理由
理念を浸透させようとする際、多くの企業は言葉や資料を工夫することに力を入れます。しかし「知識」より「体験」が効く理由でもお伝えした通り、知識として伝えるだけでは行動は変わりません。理念も同じで、体験を通じて自分の言葉で語れるようになることが、本当の浸透につながります。
よくある失敗パターン
理念浸透の取り組みで、よく見かける失敗パターンがあります。
- 理念を「覚えてもらう」ことがゴールになってしまい、行動への接続が設計されていない
- 経営層だけが熱量高く語り、社員側が受け身のまま終わってしまう
- 一度実施して終わりにし、その後の日常業務で理念に立ち返る機会がない
既存の理念浸透施策との組み合わせ方
すでに理念カードやクレド、社内報などで理念を伝える取り組みをされている企業様も多いと思います。こうした既存の施策を否定する必要はありません。むしろ、レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用したワークショップを、既存の理念発表の場(全社会議やキックオフなど)に組み込むことで、「伝える」施策と「共に作る」体験の両方を実現できます。
導入のポイント
パーパス・理念浸透を目的とする場合は、単なるチームビルディングとは問いの設計が異なります。詳しい進め方や概要については、レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修の詳細記事をご覧ください。
無料トライアルでも、理念浸透をテーマにした簡易的な体験をしていただくことが可能です。本格導入の前に、まずは実際の進め方や雰囲気を確認したい方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 経営層の参加は必須ですか?
必須ではありませんが、経営層ご自身も「自分がこの会社で実現したい未来」を作品として表現し、社員と対等な立場で対話に参加していただくことで、より効果が高まります。
Q. 全社会議やキックオフのタイミングで実施できますか?
はい。全社会議・キックオフをレゴ®シリアスプレイ®メソッドで変える方法の記事でも触れた通り、キックオフのタイミングは理念浸透の絶好の機会です。
Q. どのくらいの頻度で実施すべきですか?
理念の浸透は一度きりで完了するものではありません。チームビルディング研修は年に何回・いつやるべきかの記事も参考に、定期的に立ち返る機会を作ることをおすすめします。
Q. 中小企業やスタートアップでも実施できますか?
はい。企業規模を問わず実施可能です。特に創業間もない企業様では、経営者の頭の中にある理念を、社員全員で言語化し直す機会としても有効です。
さいごに
理念やパーパスは、伝える工夫を重ねるよりも、社員自身が「共に作る」機会を作る方が、結果的に浸透につながります。朝礼で読み上げるだけの理念になっていないか、一度見直してみることをおすすめします。
レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修にご興味を持たれた方は、お問い合わせフォームで「レゴ・シリアスプレイ」を選択の上ご連絡ください。