レゴ®シリアスプレイ®メソッドと他の研修手法の違いとは?
こんにちは。コミュニケーションデザイナーの東ヤスオです。
研修会社を比較検討していると、「体験型研修」という言葉によく出会います。ただ、体験型研修にもいくつかの種類があり、レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修が、他の手法と何が違うのかは分かりにくいものです。この記事では、その違いを整理してお伝えします。
研修手法にはどんな種類があるのか
チームビルディングや組織開発の研修は、大きく以下のように分類できます。
・座学
講師が知識やフレームワークを一方的に伝える形式。知識の習得には効率的ですが、参加者の主体性や本音を引き出すことには向いていません。
・通常のワークショップ
グループディスカッションを中心とした形式。座学より参加度は上がりますが、発言力の差がそのまま議論の偏りにつながりやすい側面があります。
・ゲーム研修
アクティビティやゲームを通じて楽しみながら学ぶ形式。楽しい雰囲気づくりには効果的ですが、「楽しかった」で終わり、仕事上の本音や価値観の共有までは届きにくいことがあります。
・レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修
レゴ®ブロックで自分の考えを形にし、対話する体験型の形式。全員参加と本音の共有を同時に実現しやすい手法です。
それぞれに良さがありますが、特に差が大きく出るのが「全員参加率」と「本音の出やすさ」の2点です。
自己診断:こんな状態に心当たりはありませんか?
- 研修アンケートの満足度は高いのに、現場の行動は変わらない
- 毎回同じ人ばかりが発言し、他のメンバーの考えが分からない
- チームの雰囲気は悪くないのに、なぜか本音の対話ができていない
これらに心当たりがある場合、現在実施している研修手法と、本当に解決したい課題との間にズレがある可能性があります。
「全員参加率」という観点で見る違い
座学は基本的に一方通行なので、参加者の関与度は低くなります。通常のワークショップは、グループディスカッション形式でも、声の大きい人・発言が得意な人が話す時間が長くなりがちで、ファシリテーターがどれだけ工夫しても「様子を見る」メンバーが出てしまいます。
ゲーム研修は参加率こそ高いのですが、ゲームという非日常の文脈が場を支配してしまう構造があります。
レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修では、全員が問いに対して作品を作り、全員が順番に発表するという構造になっているため、誰かが黙って聞いているだけという状況が生まれません。
実際、こんな声を伺ったことがあります。通常のワークショップ形式の研修を何度も実施してきたある企業のご担当者様は、「毎回同じ数名だけが発言し、残りのメンバーは最後まで一言も話さないまま終わってしまう」という悩みを抱えていました。ファシリテーターが工夫を重ねても、発言力の差という構造そのものは変えられなかったのです。
「本音の出やすさ」という観点で見る違い
通常のワークショップでは、発言することへの心理的なハードルがそのまま残ります。ゲーム研修は楽しい雰囲気は作れますが、ゲームに勝つこと・楽しむことが目的化しやすく、仕事上の本音や価値観までは深掘りされにくい構造です。
レゴ®シリアスプレイ®メソッドでは、参加者はレゴ®ブロックで作った「作品」を介して話します。作品について話しているだけなので、「この意見を言ったら批判されるかもしれない」という思考と人格が切り離され、本音が自然と出やすくなります。
なぜレゴ®ブロックだと本音が出るのか
この違いの背景には、MITメディアラボのシーモア・パパート教授が提唱した「コンストラクショニズム」という理論があります。脳細胞の70〜80%は手とつながっており、人は何かを作るときに新しい知識を構築するとされています。手を動かして形にするプロセス自体が、言語だけでは到達できない気づきを引き出すのです。
これらの違いは、チームビルディング ワークショップの選び方の記事で紹介した3つのタイプにも当てはめて考えることができます。座学やゲーム研修の多くは「①交流促進型」や「②知識・スキル習得型」に該当し、レゴ®シリアスプレイ®メソッドは「③対話・関係構築型」に位置づけられます。どのタイプが自社の課題に合っているかを見極めることが、手法選びの出発点になります。
どんな組織に向いているか
以下のようなお悩みがある組織には、レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修が特に向いています。
- いつも同じ人が話して、他のメンバーが受け身になっている
(発言力の差が構造的な問題になっている状態です) - チームの心理的安全性が低く、本音が出てこない
(表面的な会話は成立していても、深い対話が生まれていない状態です) - 組織のビジョンやパーパスが社員に浸透していない
(言葉としては知っていても、自分ごとになっていない状態です) - 多様なバックグラウンドを持つメンバーが増えた
(前提となる価値観がバラバラで、共通の土台づくりが必要な状態です) - 新チーム結成・部署統合・合併後のチームビルディングが必要
(お互いをまだよく知らない、関係の土台がない状態です) - 通常のワークショップや研修に参加者が飽きている
(同じような施策を繰り返し、マンネリ化している状態です)
一方で、資格取得研修のような、知識・スキルの習得そのものが主目的の場合は、座学や他の手法を組み合わせる方が適していることもあります。
もちろん、レゴ®シリアスプレイ®メソッドにも向き不向きがあります。正直な限界について詳しく知りたい方は、レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修のデメリット・向かないケースとは?の記事もあわせてご覧ください。
手法を選ぶ際のチェックポイント
研修手法そのものだけでなく、依頼先の選び方も重要です。チームビルディング研修の効果と選び方で、失敗しない研修会社の見極め方を解説しています。
費用感やプログラムの詳しい内容については、レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修の詳細記事をご覧ください。
よくある質問
Q. 複数の手法を組み合わせることはできますか?
はい。例えば、知識習得は座学で行い、その後の関係構築や本音の対話をレゴ®シリアスプレイ®メソッドで補うといった組み合わせも可能です。
Q. どの手法が自社に合うか判断できません。相談できますか?
はい。まずは現在抱えている課題やこれまで実施してきた研修について、お気軽にご相談ください。
Q. 見積もりを比較する際、手法ごとの違いも考慮すべきですか?
はい。見積もり比較で見るべき点の記事でも解説していますが、総額だけでなく、手法そのものが自社の課題に合っているかも重要な判断基準です。
Q. 研修手法を切り替える場合、注意点はありますか?
これまでの研修で得られた学びを否定する必要はありません。むしろ、これまでの取り組みの延長線上に位置づけて設計することで、参加者の受け入れもスムーズになります。
さいごに
研修手法に「絶対の正解」はありませんが、「全員参加率」と「本音の出やすさ」という2つの軸で見ると、自社の課題にどの手法が合うかが見えやすくなります。座学やワークショップで手応えを感じられなかった組織ほど、体験型のアプローチを一度試してみる価値があります。
レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した研修にご興味を持たれた方は、お問い合わせフォームで「レゴ・シリアスプレイ」を選択の上ご連絡ください。